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目からたくさん塩分を垂らして、塩辛いラーメンをすすった。
私はきっと、これ以上に染みる味噌ラーメンには、生涯出会えないと思う。
「ぶっさいくな顔してんなあ」
「……あんたもじゅーぶん、ぶっさいくだよ」
せまくてボロい、だけどめっちゃ美味いと有名な、地元のラーメン屋のカウンター席。
幸も髪も薄そうなサラリーマンと壁に挟まれて、私たちは同じものを食べていた。
「これでもイケメンて言われんだぜ、俺」
「私も言われるよ、黙ってれば可愛いって」
「気があうな、おそろっちじゃん」
「そうね」
「…ほんと、気が合いすぎて、悲しくなるわ」
「……うん」
ずずっとすすった麺から出てくる味噌の液が、馬鹿みたいにあったかい。
こんなに味噌ラーメンって美味しかったっけ。こんなに、身に染みる味してたっけ。
知らなかったね。
知らずに済めば、よかったのにね。
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