味噌ラーメンの塩分量

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もともと、こいつとはアホみたいに気が合っていた。好きなバンドとか、好きな動物がナマケモノなところとか、ラーメンは、味噌派なところとか。 アホみたいに気が合って、アホみたいな話をして、アホだなあって笑い合える私たちだった。 だから、というべきか。息ぴったりのタイミングで、失恋までしてしまった。 こんなの、笑うしかないじゃないか。 「……泣くなよ、お前、うつるから」 「泣いてなんかないし、知らんふりしてよ」 「そんな震えた声で言われて、無視なんてできるかよ」 「じゃあ聞かないでよ」 「無理だろそんなの。自分の声、聞いてるようなもんなのに」 同じ傷を負った。同じだけスープを濃くして、同じ量の塩を傷口に塗った。 私の感情を世界で一番知っているのはこいつだし、私もこいつの今の気持ちだけは、嫌ってほど理解できてしまう。 他人事じゃないから。自分のことと、同義だから。 「……ほんとお前、ぶっさいくだなあ」
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