第八章「どうしてこうなった」

4/28
前へ
/421ページ
次へ
「大体、アンタ自分が男として意識されるとでも思ってんの?」 「な…!」 「そーんな可愛い顔して一緒に居たって、女の子と居るとしか思えないって」 「そうそう。てか、見た目だけじゃなく中身も可愛いヘタレちゃんなんだから、変な気起こす勇気もないでしょ」 「こ、この…」 言わせておけば、ズケズケグバグバ人の心抉りまくりやがって…しかも、今は相川さんだって居るのに。 「こらー、お前達。あんまり南いじめちゃだめだぞ」 …父さん、味方してくれるのは有難いけど援護が余りにも弱いよ!散弾銃相手に輪ゴム鉄砲で挑んでるようなもんだよ! まぁ、父さんには端から戦おうという意思すらないだろうけどね。取り敢えず言ってみただけで。 「あ、相川さんっ」 ダメだ、ねぇ達には勝てない!こうなったら、説得する相手を相川さんに変えるしかない。 そう判断した俺は、懇願するような目を彼女に向けた。 「相川さんも、ハッキリ言わないとダメだって!泊まるなんて嫌だって」 「別に、嫌じゃないけど」 「え!嫌じゃないの!?」 何で!? 「折角、優希さん達が誘ってくれたんだし」 優希さん!?い、いつから、そんな名前呼んじゃう仲に!?ていうか、コミュ障自負してる割に適応能力高くないか!?相手は、あのねぇ達だぞ!? 「ほら、小花ちゃんだって言ってるじゃん」 勝ち誇ったようなねぇ達と、嬉しそうな母さん。 「最初から的外れなこと言ってんの、アンタだけだって」 「ね、ねねねね、ねぇ達が相川さん脅したんだ!」 「はぁ?」 「だ、だって、そうじゃなきゃ相川さんが泊まりなんかオッケーする筈ない!」 「アンタ、必死に何バカなこと言ってんの?」
/421ページ

最初のコメントを投稿しよう!

230人が本棚に入れています
本棚に追加