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ーー
「ご馳走様でした、美味しかったです」
丁寧に手を合わせる相川さん。
「小花ちゃんは、本当に礼儀正しいわねぇ。南と同じ高校とは思えないわ」
母さんは、こんな調子でさっきから相川さんを褒めっぱなしだ。
「そりゃ、相川さん特Aだからね」
「うそ、小花ちゃん特Aなの?」
かつて俺と同じ高校に通っていた優希ねぇが、一番に声を上げた。ウチの学校で特Aに入ることがどれだけ難しいことかのか、優希ねぇは良く分かってる。
「勿体ない。特A入れるんならもっと全体の偏差値高い所行けただだろうに」
「あんまり家から遠い所は、嫌だったので」
淡々とした相川さんの態度は、母さんから見れば礼儀正しく見えるらしい。ただ何気ない会話をしてるだけなのに、相川さんをちょいちょい褒める。
まぁ、高一とは思えない落ち着きと貫禄はあるもんなぁ。
食事が終わってこんな感じで雑談して、女性陣は先にお風呂へ。勿論お客さんである相川さんが一番で、後はねぇ達が順番に入る。
「一応言っとくけど、小花ちゃんのお風呂覗いたらしばくから」
「覗かないよ!」
そんなことする訳ないだろ!
夕飯の片付けも終わって、女性陣のお風呂が終わるまで俺は自分の部屋へ。一瞬今からでも理人ん家に泊めてもらおうかとも思ったけど、どう説明したら良いのか分かんなくて止めた。
理人の家は夜でも両親居ないことの方が多いけど、だからって今から行くのも失礼だしね。幾ら理人といえどね。
部屋でゴロゴロしてると、部屋のドアが控えめにノックされた。
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