第八章「どうしてこうなった」

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相川さんは五秒くらい引いた顔して、それから少しだけ笑った。 「何、そんなこと気にしてたの?」 「そ、そりゃ気にするでしょ!」 くそー、まだ顔が熱い。 「だから、今まで“同じ高校の同級生”的な言い方しかしなかったんだね」 「き、気付いてたんだね」 「そんなこと気にするなんて、流石小心者」 「それは、酷くない!?」 「知り合ってまぁまぁ経つのに、いつまでも知り合いって言ってる方が酷いと思うけど」 「う…ご、ごめん」 もしかして、知らないうちに傷付けてた?そう思ったら、自然に視線が下へと下がった。 「けどまぁ、本当早乙女君らしいというか」 怒ってない、寧ろまだちょっと笑ってる。 「…すいませんね、小心者のヘタレ野郎で」 「早乙女君のそういう所、そんなに嫌いじゃないけどね」 「え!?」 それって褒め言葉!? 「好きでもないけど」 「…ですよね」 ここで決して甘い雰囲気になったりしないのが、俺クオリティ。 「まぁ、友達でも知り合いでも呼び方なんか何でも良いよ」 読めない表情の相川さんは、言うことも読めない。 「ていうか、早乙女君との関係って何か複雑だし」 「複雑?」 「ドSになりたいヤツと毒舌直したいヤツの…なんだっけ、あれ。何とか会」 「イメージ改革推進会?」 「そう、それ。センスのかけらもないネーミングだけどね。てか、ネーミング必要?」 「…」 結構、的を得た良い名前だと思うけどなぁ。ていうか、ネーミングは必要です!モチベーション上がるじゃん、何かさ。
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