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「まぁ、何でも良いけど。その会のメンバー的な感じで良いんじゃない?」
「あくまでも、友達ではないんだ…」
「だから、呼び方なんかどうでも良いんだってば。兎に角早乙女君と私は、無関係じゃないってこと。それだけ」
「無関係じゃ…ない」
「そう。良い意味でも悪い意味でもね」
…何ですかそれは。喜んで良いのか、悲しんだら良いのかイマイチ分かんない表現だな。まぁ、相川さんらしいっちゃらしいけど。
「分かった、なら俺達は同じ目標に向かって切磋琢磨する同志ってことだね!」
何となく下の方に向けていた視線を相川さんに戻して、俺はニッと笑った。
「志同じじゃないけど。私ドSなんか目指してないし。そんな何の生産性もなさそうなもの」
あ、冷たい!てか、生産性って何!?性格ってか属性に生産性とか求める?てか君は、部類で言えば十分そっち系だからね!ハッキリとは言えないけど!
そんな気持ちを押し殺したら、良く分かんない表情になった。多分、効果音付けるとしたら「ぐぬぬ…」って感じの。
「…ていうかさ」
そこで、俺は気付く。
「俺達、何の話してたっけ?」
俺と相川さんの関係に「同志」って名前を付けられたのは、良かったんだけど。そもそも、そんな話だったかな。
「部屋に入っても良い?って聞いた」
「…」
そうだった。そう言えば、そんな話だった。
「それは勿論、ダメです」
いくら同志といえども、その辺の線引きはちゃんとしとかないと!
「下で話そうよ」
「話せる?」
何だその、疑いの眼差しは。俺だって、ねぇ達に気圧されてばっかって訳じゃ…
「多分…」
ない、ことはない。かな…
「ま、まぁ兎に角、下行こ下っ」
相川さんを押すようにして俺も部屋から出ようとして…
「きゃっ…」
「えっ……」
相川さんが、いきなり雪崩れ込んできた。と同時に「バタン!」と勢い良く部屋のドアが閉まる。
な、何だ…一体。何が起きたんだ…?
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