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あまりにも急すぎて、頭が付いていけない。それは相川さんも同じみたいで、驚き通り越してポカンとした顔してる。
本当に、一体何が起こったんだ!?ていうか、痛い!そして危ない!
相川さんが急に俺に倒れ込んできた形になって、それを受け止めきれなかった俺は見事に後ろに倒れた。
相川さんがどっか飛んでいかないように咄嗟に抱き締めるみたいな形になってるけど、今はそんな事気にしてられない。
…訳はない!気にする!今何が起きたのか把握するより先に、この密着状態を一番気にする!!
「あああああ、相川さんっ」
「な、何っ」
「ごごごごご、ごめんなさいっ」
サッと後ろに身を引いて、相川さんから体を離す。その拍子に、相川さんが床に頭をぶつけた。
仰向けで俺に全体重預けた格好になってたから、俺が退けば当然そうなる訳で。そんな事も考えないで勢い良く相川さんの下から退いてしまった事を、俺は後悔した。
「だだ、大丈夫!?ごめん!色々ごめん!」
「…痛い」
仰向けのまま、低い声で一言。
「本当、ごめんなさい…」
取り敢えず、深々と謝罪。…と、状況整理。
「てか、何が起こった…?」
「分かんない。急に押されたような気がする」
後頭部を摩りながら立ち上がる相川さん。
「押された?誰に?何で?」
「そんなの、分かる訳ないじゃん」
不機嫌な相川さん。…ごめんなさい。密着したのにビックリしちゃったんです。本当、ごめんなさい。
「てか、押されたって大丈夫?怪我とかしてない?」
「大丈夫。後頭部痛いだけだから」
「だから、ごめんって!」
これはマズイぞ。誰かに押されたことより、俺にされたことの方に怒ってる感じだ。
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