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「急に倒れ込んだのは悪かったけど、あんなあからさまに退くことないじゃん」
「だ、だってビックリしたんだもん！何か、だ、抱き締めたみたいになっちゃったから…」
「だからって、押し退けないでよ」
「は、恥ずかしかったの！女子とあんなに密着したこと…ないし…」
あぁ、俺は何て男らしくないヤツなんだ…だからヘタレって言われるんじゃないか。
「ふーん」
「…何、その顔」
「別に」
まだ後頭部摩ってる。
「悪かったとは思うけど、そこまでは痛くないでしょ！？」
「うん」
何だよそれ！
「て、ていうか！寧ろ今一番の問題は相川さんが誰に何で押されたのかってことじゃん！」
「確かに」
「でしょ！？」
よし、上手いこと話逸れたぞ！
ピッタリと閉められた部屋のドア。ドアの外にいるであろう押した犯人を確かめようと、ドアを押す。
…ビクともしない。え、何で？
もう一回押してみても、やっぱりドアは開かない。ドアノブをガチャガチャやってみても、ドアは全然開かなかった。
「…開かない」
「そんな訳ないでしょ」
相川さんもドアノブをガチャガチャ。やっはり、開かない。
「鍵掛かってんじゃない？」
「この部屋、鍵付いてないもん」
「なら開かないわけないじゃん」
「でも開かないよ」
「ドア壊れた？」
「…そんな、急に壊れる？」
ていうかそもそも、相川さんが押されたって言ってるのが気になる。ただドアが壊れただけなら、そんなことにはならない筈だ。相川さんが誰かに押されて、部屋に雪崩れ込んできて、ドアが閉まって、そして開かない。
これは、つまりーー
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