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「で、でも相川さん殺されかけたんだよ!?」
「ちょっと押されただけじゃん。早乙女君から受けた後頭部へのダメージの方がデカイし」
「…うぅ、すいません」
まだ、根に持っていらっしゃる…
「兎に角、ここは大人しく待つ。それが得策、以上。分かった?」
キッパリ言う相川さんに、俺はそれ以上何も言えなくなった。
ーー
「大体、可笑しいと思ったんだよなぁ。何か三人共やたらとニヤニヤしてたし。あ、でも相川さんのこと友達って言ったのは本当だと思うよ。そういう嘘は言わない人達だから」
「本当、面白いね。早乙女家は」
「面白いか!?じゃあ、変わる!?」
「毎日は、ちょっと良いかな」
「で、ですよねー。ほら、やっぱ嫌なんじゃん」
「でもお姉ちゃんずっと欲しかった。一緒に買い物とか、お菓子作りとか憧れた」
お、お菓子作り…?相川さんが?
「今失礼なこと思っただろ」
「はぇ!?な、何にも!何にもです!」
良い加減、思ったことが顔に出る性分なんとかしたい!
「ていうか、あんな素敵なお兄さん居る相川さんの方が、百万倍羨ましいよ!」
相川さんのお兄さんの話になると、つい興奮しちゃう。あ、変な意味じゃないからね。
「そう?特に良いことないよ。あんま喋んないし」
脳内で、相川兄妹が並んでる風景を妄想。
…うん、どっちも何にも喋らなそう。すぐ想像できたよ。
あれから俺は、相川さんの言う通り大人しくすることに決めた。相川さんと部屋で二人っきりは流石に不味いと思って、部屋に入りたがった相川さん断ったのに。これじゃあ、何の意味もない。
相川さんはベッドに腰掛けて、俺は折り畳みテーブルを挟んで床に胡座をかいて。お互い、取り留めのない話をしてる。
たまにチラチラ見える相川さんの生足は…おっさんの臭いスネ毛だらけの足もしくは美味しい大根だと思うことにしてる。
…美味しいは不味い、めっちゃ不味い大根にしよう。
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