230人が本棚に入れています
本棚に追加
/421ページ
とまぁこんな感じで割と平和に雑談してると、不意に俺のスマホが鳴る。メッセージの受診を知らせる音だ。
あたりを見回してみても、スマホが見当たらない。あれ、俺スマホどこやった?渥美ねぇからの電話取って、話して、ぶん投げて、それからーー
「あ、あった」
俺のスマホはベッドの枕元の辺りに転がってた。それを取ろうと、立ち上がる。
「よっと、ちょっとごめんね」
ベッドに片手を突いて体重をかけ、スマホを取ろうと手を伸ばす。座ってる相川さんに邪魔にならないようにしようとしたけど、ベッドそんなにデカくないし相川さんも枕元寄りに座ってるから、意外と近付いてしまった。
って言っても別にどっかが触れたわけじゃないから、そのまま普通にスマホを手に取る。けどその瞬間、
「ひわぁっ」
相川さんから、聞いたことのない声が聞こえた。え、な、何今の!?
「え、な、何!?」
スマホを手に持ちながら、慌ててベッドから飛び退く。え、俺触っちゃった?いや、触っちゃってないよね?
ビックリしつつ相川さんを見ると、目を見開いたまま固まっていた。
「あ、相川さん!?」
何でそんな、石像みたいになってんの!?
相川さんは五秒くらい微動だにしなくて、かと思ったら勢い良く立ち上がって、
「何しやがんだ、早乙女ぇぇっ!!」
唐突にキレた。
「は、はははいぃぃっ!ご、ごごごめんなさいっ!!」
その迫力に負けて咄嗟に謝っちゃったけど、俺何もしてないよね!?と、我に返る。
最初のコメントを投稿しよう!