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「え、えぇぇぇ!!さっきは、自分から部屋入れてとか言ってきたくせに!?」
「い、いい言ってない…!」
「いや、言ってたよ!もっと喋りたい的なこと言ってたよ!」
「う、嘘吐きっ」
だんだん真っ赤になってく相川さんを、俺は驚愕の表情で見つめた。そんな顔して「嘘吐き!」とか、君は正気か…?
「ちち、ちょっと!赤くなるのやめてよ!俺まで緊張してくるじゃん!」
「だ、だからそんなんじゃないって言ってんだろ!?」
さっきから、全然説得力無いんですけど!真っ赤な顔で何言ったって、怖くも何とも無いんですけど!
さっきまで平気で会話してた俺も、相川さんが実は緊張してたと分かると途端に恥ずかしくなってくる。というか、こうなりたくなかったから部屋に入れたくなかったのに。
まぁ、相川さんの方がってのは予想外だったけど。
…いや、でもマズイぞ。この状況は非常にマズイぞ。いつも冷静な相川さんが冷静でなくなった今、いつも冷静じゃない俺が冷静でいられる筈もない。
けどここで焦ってドア叩きまくったって、さっき相川さんが言ってた通り益々面白がって時間が伸びるだけだ。ねぇ達を喜ばす様なことだけは、何としても避けたい。
いつの間にか黙っちゃった相川さんは、赤い顔を隠す様に俯いてる。けど耳の赤いのは隠せてないし、何なら俯いたことでほんのり赤いうなじが丸見えになってる。
……い、い、いかん!これは本当に、いかんぞ!!
赤い顔で反論されるより、赤い顔で俯かれた方がダメージがデカイと知った俺。ここは兎も角、二人が冷静になれるような会話をしなければ。
俺まで黙っちゃって沈黙状態になるのは、本気で避けたい。
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