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ドアノブが動いたと思ったら、次の瞬間物凄い勢いでドアが開かれた。勢いが良過ぎて、ドアが「バイィィンッ!」って感じにバウンドしてる。
「おーい、青春してるかね君達っ」
そのドアの向こうから、上機嫌の優希ねぇが顔を出す。優希ねぇのあの顔…完全に酔っ払ってる時の顔だ。
「なーんだ、離れてんじゃん。てっきりチューの一発や二発やってる頃だと思ったのに」
「だからいったじゃん、南にそんな度胸ないって。千里ねぇ、南を普通の高校生男子だと思っちゃダメだよ」
「分かんないよ渥美、案外事後だったりして」
「何だってぇ、聞き捨てならん!未成年の男女が、そんなふしだらな…南!お前人様のお嬢さんを傷物にしてタダで済むと思っとんのか!こうなったら潔くパパになる覚悟を…」
「もっ、もう頼むから三人共一回黙ってよ!!」
ドアが開いたと思ったら好き放題言いまくりのねぇ達に、言いたいことは山ほどある。けど今は取り敢えず、黙らせるのが先だ。このまま放っといたら、益々十八禁ワード言いまくるに決まってる。
特に優希ねぇ、既に出来上がっちゃってるからもう手に負えない!
「南、アンタ小花ちゃんに何かした?」
涼しい顔して、千里ねぇが言う。
「す、する訳ないだろ!」
それ分かってて、閉じ込めたくせに。
「なーんだ、つまんない。流石南、ヘタレの中のヘタレ」
「あ、渥美ねぇ!ヘ、ヘタレとかそういう問題じゃないだろっ!こ、こんな…悪ふざけじゃ済まないよ!」
「何、南怒ってんの?さては、小花ちゃんに欲情したな?」
「よっよく!?!?」
千里ねぇは、目を細めながら俺をジトッと睨む。
「そ、そそそ、そんな訳…っ!!」
胸を張って「ない!」とは、言えない…けどそんなこと本人の前で言える訳ない!
「いやぁー、汚らわしいっ」
「行こっ、小花ちゃん。これ以上南と一緒に居たらヤバイから」
「南、サイテー」
ア、アンタ達は一体何を言っているんだ。ここに閉じ込めたのは…
お ま え た ち だ ろ う が !
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