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ハゲてなかった、のは良いとして。優希ねぇ今年入社したばっかりだよね?まだ二十三歳だし、しかも相手上司でお付き合い期間ないのに結婚するって言うし、もう全然意味が分からない。
付いていけない俺を構うことなく、優希ねぇは続けた。
「今日、その人ウチ来るからそのつもりでいてよね。顔合わせって程堅苦しいもんじゃないけどさ」
「え、き、今日!?」
急過ぎる!何でもっと早く言わないんだ!
「夜ご飯食べるだけだし、良いでしょ?小花ちゃんも予定ないなら、呼んだら良いじゃん。理人君も」
当たり前みたいに言うけど、それおかしくない?
結婚する予定の人がウチに来るのに、友達と彼女呼んでも良いものなの!?
顔合わせとか、結婚までの流れとか、そういう知識はほとんどない俺だけど、そんなフランクな感じで良いのか物凄く疑問だ。
「両親への挨拶は終わってるし、千里と渥美には会わせたことあるし、気にしないで二人連れておいでよ。ただ大人数でご飯たべるみたいなもんだからさ」
その言葉に、開いた口が塞がらない。俺以外の家族全員、優希ねぇが結婚するって知ってたってこと?
「私これから彼と会うから、小花ちゃんと理人君来るならお母さんに言っといて。出かけるとしても、夜には帰ってきてよね」
「…ない」
「は?」
「俺参加しない!」
キッと優希ねぇを見ながら、俺は大声でそう口にした。流石の優希ねぇも、ビックリした顔で俺を見る。
「大したお付き合いしてない人と結婚って、それだけでも驚いてるのに…なのに今日まで知らなかったの俺だけでしかも夜来るって、そんなのおかしくない!?優希ねぇの結婚に俺がとやかく言うことじゃないのは分かるけど、幾らなんでも人を馬鹿にし過ぎでしょ!!」
鼻息荒く捲し立てる俺を見ながら、優希ねぇはまだ驚いた様子。
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