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「そりゃ、ねぇ達は俺のことただのパシリ位にしか思ってないだろうけどさ、俺だって一応家族だよ!?皆と同じタイミングで教えてくれたって良いじゃん!」
「ちょっ、南」
「出かけてくる!今日帰らないからっ!」
優希ねぇの顔も見ないまま、リビングを飛び出して玄関へ。スマホだけポケットに入れてそのまま家を出た。
ねぇ達に虐げられることなんか、珍しくも何ともない早乙女家の日常。けど、何か今回のこれは。物凄く。物凄ーくムカついた。こんな大事なことまで俺だけ仲間外れなんて、そんなのあんまりだ。
「マジで、今日帰んないからなっ」
誰に言うでもなく呟いて、そのまま駆け出したのだった。
ーー
「ヤキモチだな」
幸い、理人は家に居て。転がり込んで泣きつくようにした俺の話を聞いた後、普通の顔してそう言った。
「ヤキモチ!?そんなんじゃないっ」
俺の猛反論にも、理人は応じない。リビングのソファに足組んで座ってる。
「どう聞いてもヤキモチだろ。シスコン」
「は、はぁ!?」
さっきから聞き捨てならないことばっかりだ!
「俺シスコンじゃない!コキばっか使われるし、どっちかと言うと離れたい位だし!」
「大好きなくせに」
「だ、大好きじゃないっ」
「じゃあ、嫌いなんだな」
う、と言葉に詰まる。嫌い、ではないけどさぁ…
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