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「ま、相手は瑠衣だし気長にいくわ」
理人は、余裕そうに言ってるけど。
「俺…応援する!俺が女なら絶対一回は理人好きになると思うし!」
「何だその微妙な励ましは」
「大丈夫!瑠衣もその内、理人の良さに気付くって」
「上から目線か、腹立つな」
あれ?怒った?そ、そんなつもりじゃなかったのに…!
「い、いや…だからその、つまり…」
「分かってるって、お前の言いたいことは。“瑠衣は俺のことまだ好きかもしんないけど、振り向いてもらえるように精々頑張れば”ってとこだろ?」
「ち、違う違う!激しく間違ってる!!」
首ポロッと取れても良いって位に激しく首を左右に振ると、理人が意地悪く口角を上げた。
「はいはい、何でも良いからお前もう帰れ」
「え、な、何で!?」
ホントに怒っちゃったの!?
「何か買いに行ってこいよ、相川さんと」
「え?」
「優希さんに」
「あ…」
理人が言いたいのは、優希ねぇにお祝いのプレゼントをしろってことだ、多分。
…こ、この人は。この人は一体どこまで気の付く男なんだ。将来、絶対仕事とかバリバリできそうだな。ていうか俺、マジ理人に言われないと何も気付けないのか…な、情けない。
「り、理人は一緒に行かないの?」
「カップルに挟まれて買い物とか、何の地獄だよ」
うえって嫌そうな顔する理人。
「俺も後でお前んち行くから」
「ほ、ホントに?絶対来てよ?絶対だよ?」
優希ねぇに帰らないって啖呵切った手前、一人じゃ帰り辛い…
「…お前、ホント俺が居ないと生きてけねぇな」
呆れたように溜息吐く理人だけど、何だかんだで俺を助けてくれる理人が、本当好きです。将来看取ってください、俺を。
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