最終章「南、大団円なるか?」前編

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「ま、相手は瑠衣だし気長にいくわ」 理人は、余裕そうに言ってるけど。 「俺…応援する!俺が女なら絶対一回は理人好きになると思うし!」 「何だその微妙な励ましは」 「大丈夫!瑠衣もその内、理人の良さに気付くって」 「上から目線か、腹立つな」 あれ?怒った?そ、そんなつもりじゃなかったのに…! 「い、いや…だからその、つまり…」 「分かってるって、お前の言いたいことは。“瑠衣は俺のことまだ好きかもしんないけど、振り向いてもらえるように精々頑張れば”ってとこだろ?」 「ち、違う違う!激しく間違ってる!!」 首ポロッと取れても良いって位に激しく首を左右に振ると、理人が意地悪く口角を上げた。 「はいはい、何でも良いからお前もう帰れ」 「え、な、何で!?」 ホントに怒っちゃったの!? 「何か買いに行ってこいよ、相川さんと」 「え?」 「優希さんに」 「あ…」 理人が言いたいのは、優希ねぇにお祝いのプレゼントをしろってことだ、多分。 …こ、この人は。この人は一体どこまで気の付く男なんだ。将来、絶対仕事とかバリバリできそうだな。ていうか俺、マジ理人に言われないと何も気付けないのか…な、情けない。 「り、理人は一緒に行かないの?」 「カップルに挟まれて買い物とか、何の地獄だよ」 うえって嫌そうな顔する理人。 「俺も後でお前んち行くから」 「ほ、ホントに?絶対来てよ?絶対だよ?」 優希ねぇに帰らないって啖呵切った手前、一人じゃ帰り辛い… 「…お前、ホント俺が居ないと生きてけねぇな」 呆れたように溜息吐く理人だけど、何だかんだで俺を助けてくれる理人が、本当好きです。将来看取ってください、俺を。
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