最終章「南、大団円なるか?」前編

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「自分じゃ買わないようなもの、貰うのもたまには良いよね」 手に持った瓶を少しユラユラさせながら、相川さんがポツリと呟いた。 「何となく、特別っぽくて」 キラキラしたものを手にしてる相川さんも、キラキラして見える。 「…俺、これにしようかな」 「私も、半分出す」 「え、いや良いよ!」 「早乙女君に買うんじゃないし」 「まぁ、そうだけど…」 「優希さん、私のこと気遣って良く連絡くれるし。私も少しは、お返ししたい」 手の中のハーバリウムを見ながら、そう口にする。ていうか、相川さん優希ねぇとも連絡先交換してたんだね… 「ありがとう、優希ねぇ俺からより相川さんからってのに喜ぶよ絶対」 「そうかな」 どことなく嬉しそうなのが、破滅的に可愛い。 ーー ラッピングもしてもらって、ようやくプレゼント選びは終了。…なんだけど。 「何か、変」 「え、そ、そうかな!?」 「何、その感じ」 ジットリとした疑いの眼差しを受ける俺は、ワザと視線を斜め上へ向けた。 「べ、別に変じゃないよ!あ、お、俺ちょっとトイレ!ここでまってて!絶対絶対、ここから動かないでよ!」 さっきのお花屋さんから少し離れた場所に相川さんを残し、俺は足早にその場を立ち去った。良し、完璧!めっちゃ自然!全然怪しくない! 俺は相川さんにバレないように、もう一度お花屋さんに入る。キョロキョロ辺りを見回して、さっき見つけたネックレスをそっと手に取った。 ゴールドチェーンの華奢な作り、ペンダントトップに、小さな丸いガラスに入れられた花が付いてる。多分、これもハーバリウムの一種なんだろう。説明書きの欄には桜を使ったものだって書いてある。
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