最終章「南、大団円なるか?」前編

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小さくて、あんまり主張は強くない。けど淡いピンク色がキラキラ光ってて、ゴールドとの色合いも可愛い。派手過ぎない、可愛い小さな花。正に、相川さんにピッタリだ。 服装的にも優希ねぇみたいにシンプルなものが好きな様子の相川さん。今日も、黒のゆったりしたカッターシャツに白のパンツ。上からグレーのニットコートを羽織ってた。 ピンク、嫌がるかな。けどそんなに色味も強くないし、これならきっとーー 「…何、やってんの」 訝しげな声が背後から聴こえて、突然のことに店の中なのに「うわっ」って声が出てしまった。 「あ、あ、あ、あ、あるぁ」 「変な声出すな」 隣で腕を組んだ、不機嫌そうな相川さん。選ぶのに夢中で、全く気付かなかった。 「あ、相川さん…な、何でここに…!」 俺の誤魔化し方は完璧だった筈なのに! 「普通に変だったけど」 「あ…そうですか…」 完璧だと思ってたのは俺だけか。 ガックリと肩を落とす。の後、チラッと相川さんを見れば、まだ不機嫌そうな顔をしてる。 「…何で、嘘吐いたの」 「ご、ごめんなさい」 嘘吐いたのは、謝ります。 「…優希さんにもう一個買うにしても、黙って行くことないじゃん」 明らかに、機嫌を損ねている。俺の手にはネックレス。どうやら相川さんは、俺がこれも優希ねぇへのプレゼントとして買うんだって思ってるみたいだ。 「い、いや…これは優希ねぇのじゃなくて…」
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