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悪戯バレて怒られた子供みたいな、良かれと思ってした行動が裏目に出た後みたいな、絶妙に微妙でシュンと項垂れたその表情。いつもシャキンと真っ直ぐに伸ばされた背中は、悲しそうに少し丸まってる。
「あ、あの…お、お待たせ相川さん」
胸に手を当てて息を整えながら、声をかけた。
「は、はい…お帰りなさい」
「あ、た、ただいま」
「お、お疲れ様でした」
「ん?え、あ、ありがとう」
確かに急いだからちょっと息切らしてるけど、何か疲れることしたっけ?
「…」
うわ、相川さんめちゃくちゃ気まずそう…ていうか、本当シュンとしてる。
相川さんのシュン顔は中々レア…ってそうじゃなくて。
空気を変えようと一回咳払い、の後俺はポケットからさっきのネックレスを取り出した。
「これ、相川さんに似合いそうだなって思ってさ。嘘吐いて買いに行って、ごめんね」
相川さんは、ただジッとネックレスを見てる。
「相川さんフラフラって行っちゃったから追いかけないとと思って、ラッピングとか何もして貰わなかったんだ」
まだ、相川さんはキラキラ光るネックレスから視線を逸らさない。
「どうせなら一緒に選べば良かったかな。けど何か直感で絶対似合う!って思って…で、すぐ付けられるように値札とか切ってもらって袋も貰わなくて…という訳で、今付けてもらえると嬉しいんですが…」
何にも言わないから、段々不安になってきた。やっぱプレゼントなんだから、多少時間かかってもラッピンしてもらった方が良かった!?今すぐ付けろ、なんて押し付けみたいでマズかったかな…
ポケットから裸で出しちゃったし、つくづくカッコつかないヤツだな俺。
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