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「…と、いう訳で。優希ねぇ、慎二さん、ご結婚誠におめでとうございます」
「南が改まってるー、気持ち悪っ」
「ちょっと千里ねぇ!水差さないでくれる!?」
折角精一杯カッコつけたのに、本当締まらないなぁ!
ーー結論から言うと、優希ねぇの旦那さんになる周防慎二(すおう しんじ)さんは、めちゃくちゃマトモな人だった。
大人で、紳士的で、落ち着いてて、イケメン。ハゲてない、寧ろフサフサ。大人っぽい緩めパーマの黒髪。そこに立ってるだけで、できる人オーラ半端ない。
何でこんな完璧そうな人を、優希ねぇはハゲ呼ばわりして愚痴ってたんだろう。まぁ、厳しそうといえばそう見えなくもないけど。
「ありがと、南」
優希ねぇが、ちょっとぎこちない。
「さっき、ごめん」
まさかの、優希ねぇから先に謝るという予想外の展開。てっきり「帰らないって言ったくせにこの口だけヘタレ」的なこと言われると思ってたのに。
慎二さんの前だからお淑やかにしてるってのもあるかもしれないけど、そんな感じでもないような。折角の皆での食事なのに、どことなく元気がない気がする。
相川さんと家に着いて、そしたら皆居て、すぐ理人も来て、あっという間にプチパーティーが始まり。二人で選んだプレゼントも、渡せないままソファの陰に置いてある。
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