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「やだなぁ千里さん、そんなことしませんって。俺いつもめっちゃ協力的じゃないすか」
「小花ちゃんはねぇ、私達の妹になるから。ね?小花ちゃん?」
「え」
「ね?小花ちゃん?」
「あの」
「ね?小花ちゃん?」
「はい」
相川さんが、押し負けた!
「千里ねぇ、酔っ払いみたい」
「煩いなぁ南の癖に。アンタにこんな可愛い彼女居るとか、腹立ってきたわ。別れて小花ちゃん解放しろ」
「ち、ちょっと!さっきと言ってること違うじゃん!」
相変わらず、千里ねぇは横暴で無茶苦茶だ。
千里ねぇを持て余してると、テーブルから渥美ねぇの声が聞こえてきた。
「南、優希ねぇに何か言うことないの?」
「…え、え!?」
唐突過ぎて、一瞬頭が軽くパニックに。
「優希ねぇ後何ヶ月かしたら家出てくんだから、この際溜まってること全部ぶち撒ければ良いじゃん」
「え、えぇぇ……」
慎二さんが居る前で、そんな無茶振り。ていうか、溜まってることってねぇ三人分なんだけど。優希ねぇだけじゃないんだけど。時間、一晩じゃ足りない。
「お、南遂に優希に物申すのか?そうなのか?」
…父さん、何でそんなワクワクした顔で俺を見てるの?さっきまでボロボロ泣いてた癖に。
「良いぞ良いぞ!いけ南!」
千里ねぇはもうちょっと黙ってて欲しい。
「い、いや…物申したいことなんて別に…」
あっても、ここで言える訳がない。
「南」
不意に、優希ねぇが口を開いた。
「何でも良いから。言いたいこと、言っても」
優希ねぇは良く分からない表情をしてたけど、声色は柔らかい。そんな優希ねぇ見てたら、何か分かんないけど物凄く込み上げてきた。
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