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「可愛い、可愛い、大好きーって、南のことずっと可愛がってやるからね!それ、私の特権にするから。南が変わっても変わらなくても私はずっと南のこと可愛いって思ってるから、色んな意味でね」
「か、可愛がるって…その言い方ずるっ!」
ドSとは違うけどカッコ良くて男らしいが目標なのは今も変わらないって言ったのに!そんな言い方されたら、可愛いのままでも良いかなって思っちゃうじゃん!
「だから前から言ってんでしょ?私はどんな南でも良いって。まぁ、ドSには結局一回もなれなかったけどね?」
からかうように言いながらも楽しそうな小花ちゃんを見て、俺まで幸せな気持ちになっちゃう辺り、もう俺はきっと一生小花ちゃんには敵わないんだろうなって思った。
ーー俺はきっと、これからもずっと。小花ちゃんと一緒に。それが叶えば、こんなに幸せなことはない。
父さんも、母さんも、優希ねぇも、千里ねぇも、渥美ねぇも、理人も、瑠衣も、真凛も、皆。皆が笑って幸せで、そんな風になれば良いって。
小花ちゃんと出会ってまだ一年も経ってないけど、物凄く色々あって、今まで感じたことない気持ちとか、人を好きになるドキドキとか、苦しさとか、悲しくなったり落ち込んだり。
そういうのも全部全部、俺を成長させてくれた大切な時間。
「小花ちゃん?」
「何?」
「ありがとう」
何でお礼言われたのか分かってないって顔してる彼女に、俺はもう一度キスをした。
そして顔を離すと今度は、またされると思ってなかったみたいで固まってる小花ちゃんの耳元に口を近付ける。
「けど俺だってやられっぱなしじゃないからね、小花?」
ワザと囁くように言えば、両手で耳を抑えながら真っ赤な顔して立ち上がる小花ちゃんと目が合った。
「ここ、この…っ!で、電話してやる!今すぐ優希さん達に言いつけてやる…っ!!」
「え!?な、何でここでねぇ達の名前が!?」
余裕南はどこへやら、いつもの俺へと逆戻り。
「し、し、知らないっ!南のバカっ!」
携帯片手に、小花ちゃんは駆け出していった。
「あ、ち、ちょっと待ってよ!小花ちゃーーんっ!!」
やっぱり一生、俺は小花ちゃんに翻弄されるみたいです。
「ドS男子、これで合ってますか?ー可愛い脱却大作戦ー」
ー完ー
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