第三章「奇妙な関係」

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我ながら、なんて強引で頭の可笑しい提案なんだ。こんなのに乗るヤツ、居るんだろうか。もし俺が逆の立場で男子にそう迫られたら、絶対オッケーしないだろう。 冷静に考えると分かるんだけど、俺はどうしても言わずにはいられなかった。断られても、それはそれでしょうがない。言わないでいるより、ずっとマシだ。 「…良いよ」 暫しの沈黙の後、相川さんが呟く。 「…え、良いの!?」 「別に、良いよ」 「何で!?何で良いの!?」 「…は?」 「だ、だって、俺の言ってること全部嘘で、ただ相川さんに近付きたいからってそれだけかもしんないよ!?」 「そうなの?」 「いや、違うけど…」 勿論、そんな邪な理由じゃない。いや、ドSキャラ習得してカッコ良くなってゆくゆくは彼女欲しい、って充分邪な理由か… けど、こんな簡単に男を信じちゃう相川さんに不安を感じる俺。必死に説得を試みる。 「相川さんって、以外と騙されやすいタイプ!?そんな美少女なのに、騙されやすいってヤバいよ!将来悪どいホストとかに引っかかって悲惨な人生送ることになっちゃう!考え直して!」 「…アンタ、一体何なの」 そんな呆れた顔したって無駄だ!俺は相川さんの行く末が頗る心配だ! 「意味分かんない。断って欲しいの?」 「それは困る!困るけど、今はそんな話はしてない!」 騙されやすい相川さんに忠告してるの!余計なお世話でも、心配なもんは心配だ。 相川さんに熱く息巻いている俺、相川さんは短い溜息を一つ。 「あのさ、別に騙されやすいわけじゃないから。私」 「へ?」 そうなの? 「早乙女君だから、了承しただけ」 冷静にそう口にする相川さん。え、俺だからって…まさか相川さん…俺のこと…! 「早乙女君バカだし、嘘とか吐けなそうじゃん」 「…」 …何だ、そっちか。
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