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第八章「どうしてこうなった」
「あああああああ」
「南、キモい」
「どどどどどどど」
「南、ウザい」
だ、だって!これが動揺せずにいられますか!?
目の前の女子四人を見つめる俺の顔は、多分酷いことになってる。それくらい、動揺を隠せない。そりゃそうでしょ、だって相川さんが…相川さんが!
「相川さん!目を覚まして!」
「覚めてるけど」
「正気に戻って!」
「元から正気だけど」
「だ、だったら、ねぇ達に脅されたんだ。ねぇ、そうなんでしょ?」
「は?違うけど」
「え!?じゃあ、何!?」
「さっきから、言ってる意味が分かんない」
怪訝そうな顔の相川さんだけど、ここで引き下がるわけにはいかない!
「あ、相川さん!」
「南、良い加減にしな」
「ぐえぇぇ」
後ろから唐突に渥美ねぇにチョークスリーパーかまされた。
「小花ちゃん困ってんじゃん」
「ぐがぁぁぁ」
「ちょっと、何とか言ったらどうなのよ」
「か、かはっ…」
渥美ねぇ、頼むから喉から腕離して…死んじゃう…
ギブアップの合図みたいに、渥美ねぇの腕をペシペシ叩くと、パッと腕が離れる。涼しい顔してる渥美ねぇを睨みつけたけど、全く意に介してない感じ。
「だ、だってさぁ!相川さんが今日ウチに泊まりにくるなんて急に聞かされたら、普通驚くでしょ!」
そうだ、俺は悪くない!
閉められた喉を摩りながら、目の前の女子達を見つめる俺。
…そもそも、どうしてこんな話になったんだ。
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