新感覚すぎる小説

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新感覚すぎる小説

 どうも先生、お世話になります。先日は原稿データを入稿いただき有難うございました。それで先ほど拝見したのですが……何と言いますか、今作はお時間が無かったですかね? ちょっと誤字が多いんですよねぇ。しかも絶妙な間違い加減のせいで、物語が変貌しちゃってますね。  総括すると、何というか、新感覚すぎる小説になってるんですよ。  一応は弊社でも校正作業を通しますが、この原稿の質では次の工程に回せません。今一度お読みになって書き直しをお願いしたく……。ええと、完璧に仕上げたハズだ、と仰るのですね? 承知しました。それでは口頭になりますが、少しお話をさせてください。お時間は大丈夫でしょうか? はい、では極力手短かにします。  早速ですが、文字の消し忘れが散見されました。「てにをは」で迷われた結果でしょうか。かなり多いのですよ。ちょっと一例を挙げさせていただきますね。ええと、これは2枚目の部分。主人公のシュウマが、恋人であるミナコの悩みを知るシーンですね。 ーーミナコはがイジメの被害に遭っていると聞いた。  これ、『は』を消し忘れてます。『ミナコがイジメの……』とすべきですよね? 現状ですと、読みようによっては『ミナコ羽交い締めの被害』とも受け取れてしまって。はい……いやいや、羽交い締めでもイジメとして意味が通る、じゃありませんよ。唐突にトリッキーな表現に舵を切るのは止めてください。
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