しゅうサイド

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しゅうサイド

今日は、まゆちゃんが来る日だ。 期末テスト最後の日、テスト最終日だから下校時刻はいつもより早い。7月8日午後2時。 急いで帰れば2時20分。ホームルーム終了のベルと同時に教室を出た。 構内を走るのはちょっと恥ずかしいから早歩きで。 「しゅう!急いでる?」 後ろから走ってきただろう、ケイタに呼び止められてしまった。 「今日、親戚の人くるから!」 早歩きのスピードを少しあげ急いでいる雰囲気を出しているにもかかわらずにケイタは話を始めた。 「夏休み最初の日さぁ、19日。池田達とカラオケに行くって話になってんだけどシュウ来てくんない?」下駄箱まで来て靴を履き替える。 「なんで俺?」 「しゅう、学校外でつるまないレアキャラだから女子達が休みの日に会ってみたいって言ってんだよ」 ケイタとは小学校からの同級生、ケイタが池田の事を意識してるのは側から見ればバレバレだ。 「池田も夏休み中は北海道のばあちゃんの家にずっと行くとかでその日しか空いてないんだって!」 「あとでラインするから!」 ケイタには悪いけど今日はとにかく早く帰りたかった。5ヶ月ぶりのまゆちゃんに早く会いたい。 不満げなケイタを振り切って家までランニングだ。 14歳の夏休み、来年は受験生だから今年はみんな遊びたいんだな。軽く走ると足のつま先が痛かった。靴買ってもらわなきゃ…これが成長期ってやつか中2の1学期で身長が5センチ伸びた。 もうすぐ165センチ、靴のサイズもたぶん1つ上がって26センチになるだろう。 しゅうは母親に似て身長が高かった。 父親の事を知らないだけだけど。
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