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トントントンっ
周囲に気を使った控えめなノック。
「あーちゃん起きてる?」
返事する間も無く、みーが扉を開けてきた。
薄い板1枚のネカフェの扉、壁に耳を付ければ中にいる人間が起きているか寝ているかはだいたい分かる。パソコンをいじっているか、漫画を読んでいるか、自慰にふけるか、お金を払って自分の空間を買っているので中で何をしようと自由だ。
「起きてるよ。」
読みかけの漫画から目を離し、みーの顔を見る。
色白の少しつり上がったパッチリ二重のネコ顔。
実写版ネコ娘は、みーでイケると度々思うが年齢はもう娘って程ではない。
「ねぇ、上でドッキリやってるんだけど突撃しない?」ネコ目がニヤニヤしている。
ネカフェの個室をお金を払って中で何をしようと自由だ。と言ったが、最低限のマナーと法律があった。
個室での性行為を店員達はドッキリと呼んでいる。
突撃とは、その名の通りの突撃だ。
「稼ぐか。」
うつ伏せで漫画を読んでいた体を起こし、みーと一緒に上に行く。
このネカフェが入っているビルは1.2階が居酒屋。
3階と4階がネカフェ「アンジェ」が入っている。
3階が受け付けと1人部屋、4階はビリヤードとペアシート。
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