あすかサイド

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現場はたいがい上のペアシート。 ペアシートにカップルで入ったら、それなりにすることしたくなるだろうけどね。 みーと部屋の前まで行くと、みーはココ!ココ!と言わんばかりににやけ顔で指を指している。 にやけ顔近くで見ると薄っすら目尻にちりめんしわが出来ている。いくら若く見えても、みーは今年33歳だ。ちょうど私より10歳年上。 私も笑いを堪えながら薄い壁に耳を近づける。 隣の部屋は空室なのをいいことに挑戦してみちゃったんだろうな。 耳を近づければ吐息と確かにギュッギュッと定期的に何かが擦れる音。おそらく服か何かが男の動きと一緒に擦れている。 「いくよ!」と小声だけど活気のある合図。 みー、アドレナリンでちゃってるよ。 ガラっ!スライド式の一枚扉を勢いよく開ける。 ビックリして声も出ないポカンと口の空いた男の下に、目を見開きポカン口の女。 洋服こそ着てはいるが、膝まで下ろしてある男のズボンと腹部まで上がっている女のスカート。 「すみません!当店では、このような行為は禁止されております。こちらにも記載がありますが、クリーニング代の請求をお願いしております。」 入店時に同意済みの利用規約のコピーを見せるみー。 それには風俗法の規定と、万が一の場合はクリーニング代等の請求があること、その他もろもろが細かな文字で記載されている。 利用規約なんて目を通さなくてもダメな事分かりますよね? と言わんばかりのみー。 「退室のご用意をお願いします。」と一言、言うとピシャリと扉を閉めた。 急いでゴソゴソと準備をする音と共に、 ぅ、ぅ、とすすり泣く女の声。 たぶん24.5歳だろうなぁ。 まだ若いとこういうスリリング挑戦したくなるんだろうな。とボーっと考える。
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