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「はい、5千円。」
みーが千円札5枚を手渡してきた。
これはもちろん私たちのポケットに入るだけでクリーニング代にはならない。
「この前までは5千円だったじゃん」
歩きだしながら私が言うと、みーのニコニコ笑顔が返ってきた。
「私、今週でもう卒業じゃん。たぶん最後の突撃だしいいじゃん」
みーは1年間続けたアンジェのバイトを今週辞める。
「2万出せ、って言ったら怪しいけど、クリーニング代1万ならあるっしょ。絶対反論しそうにない男だったから言ったんだよ。」
4階から3階へ降りる階段を歩きながら話を続ける。
3階の受け付けまでは外からエレベーターで上がれるが、アンジェの店内に入ると3階と4階は階段で繋がっている。
「いてて、」階段を降りながらみーが足の付け根を抑える。
「まだ股関節痛いの?」
「いやー、やりすぎかな。テツくん会うと4回コースだから」ネコ目がニヤける。
最近よく股関節が痛いと言って、整体やら骨盤矯正に行っている。
「来週からフリーダムだしゆっくり休むよ。」
4回フルコースのテツ君は、みーの運命の人らしい。
出会って1年来週頭に引っ越しをし同棲する。
「同棲したら毎日やりまくってよけいに痛くなるでしょ」私の言葉にニヤニヤ笑顔のみー。
テツ君と出会う前は10年間不倫をしていたみー。
10年間不倫男が黒服をしているキャバクラで働いていた。そのキャバクラで3年前に私と出会った。
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