あすかサイド

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「今日仕事?」 「5時からね。」時計を見ながら私が答える。 4時5分。さっきのカップル昼間っからよくやってんな。ラブホ行けば良かったのに、ラブホより高い金取られて。 「結局SM嬢に落ち着いたの?」 「違うって、ちょいS担当のお嬢様だから。」 みーが笑いながら聞いてくる。 「店の名前なんだっけ?」 「東京お嬢様倶楽部」 「ここ東京じゃないじゃん!」 階段下で2人で笑いあって立ち話。 ここは埼玉の大宮だ。 美容専門学校で東京に出てきたが、1年後には学校を辞めてしまった。 夜キャバクラでバイトをしていたせいで朝起きれずに学校に行けないのだ。 みーと知り合った赤羽のキャバクラ。 都内の家賃は高く赤羽のアパートに住んでいたが、もっと家賃が安い埼玉に客がアパートを借りてくれた。その客と半年程付き合った。 悪い男じゃなかった。 20歳の私と結婚を前提に真剣に向き合ってくれた。 しかし私がこっそり風俗で働き始めたのがバレて別れる事になる。 現在風俗歴2年、3ヶ月前からここアンジェで寝泊まりしている。 「指名客?」 「うん。」 そろそろ着替えて化粧しなきゃだな。 朝から顔も洗っていない目をこする。 「人気デリヘル嬢がネットカフェで寝泊まりしてるなんて客が来たらビビるよ、お嬢様」 「そんな人気ないよ」 いちおうそう言ってはみる。 「じゃ、明後日の送別会来てね!下に6時だからね! 」ここで寝泊まりしていて、1階の居酒屋でやるみーの送別会に行かないワケにはいかない。 まだ何か話たそうなみーに手を振る。 今度は30代くらいのカップルが、みーの横の階段を上がって行った。
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