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Seven colors world
杉田香と牧野早苗は同じ小学校に通う親友、今日も大きな声で笑いながら下校途中だ。
晴れていた学校の帰り道、二人は可笑しな事に遭遇した。
晴れている住宅街の道路を歩いていたら薄いカーテンを引いたような晴れと雨の境界線に出くわしたのだ。
早苗は、「私、こういうの、前におばあちゃんから『馬の尻尾』と言うんだって聞いたことがある」と答えた。
しかも、雨が降っている範囲は虹が掛かったように、順番に七色の世界に分かれているようだ。
香が驚いたように、「まさか?でも、此処から先は青い雨が降っている、周りの景色も青く染まっている」
「そんな?でも、本当だ・・遠くを見ると雨の色が違うみたい」
不思議な事に、違う色の雨の切れ目があるようだ。
二人が歩く毎に薄いカーテンを抜けるように、雨の色が変わっていく。
雨だけでは無い、景色も全て同じ色に染まっている。二人は、暫く七色の雨の世界でじゃれあうように走り回った。
香が満面の笑みをたたえながら言った、「早苗ちゃん、これって本当の世界かな?ほっぺたをつまんで・・痛たた!夢じゃないね」
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