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「名取のやつーーーーー!!!!」
そう教室で叫んだのは真琴ではなくクラスメイトの男子生徒、栗原凛太だった。
「.....凛太?」
「お、真琴か。」
「どうしたの?」
真琴は凛太の席の前に座った。
「いやーちょっとなー...数日前にDSを名取に取り上げられてな。未だに返してくれないんだよ。」
「DS!?って....まさか....。」
あのDSは先生が買ったものではなく凛太の物だったのか、と真琴は思った。
「ん?どうしたんだ?」
「いや...別に...。」
「ゲームやってたのは昼休みとかで授業中やってたわけじゃないのに、見つかった途端没収した挙句しばらく返さないとか!ゲームの続き気になってるって言うのに!レベルだって必死に上げてたのに!名取のやつオレの記録いじってないだろうな?」
凛太は怒りを露わにしていた。
真琴は思い出していた。
先生がここ3日間ゲームに没頭していた事を。
そして数学室を出る時DSを机の中にしまっていた事を。
「ねぇ凛太そのゲームって記録消されるとどう思うの?」
「は?オレの時間返せってなるよ!絶望感しかないよ!」
「ふーん.....なるほどね。」
「なるほどって?」
「よし!凛太!私がゲーム取り戻すの強力する!」
真琴は席を立ち上がった。
「え?真琴が?」
「うん!どこにあるかわかるから!」
「マジで?」
「今日の放課後、決行だよ!」
真琴は凛太の肩を掴んで、ニッと笑った。
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