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と言って、その場を離れた。ちょうど良い言い訳だった。
石川を見ると、返事を急かされているような気がして、居心地が悪い。
返事をしなければいけないのはわかっている。でも、何と言えば良いのかもわからない。
俺は逃げるようにカバンを持ってそのまま図書室に向かった。
『マンガ日本の歴史』は、担任の椎名先生が学校の勉強にもなると言っていたので試しに読んでみると、スイスイと内容が頭に入ってきた。しかも、偶然にも直前に漫画で読んだ内容がテストに出たこともあり、この本のおかげで歴史が大好きになった。
ちなみに、俺のノートのイラストもこのマンガを真似したものだ。何度も練習したので、このタッチで椎名先生の似顔絵を描いたら、碇に大ウケだったのを覚えている。
借りていた本を返却棚に入れて、次の巻を棚から取り出し空いている椅子に座って、パラパラとページをめくり内容を確認する。
次は明治時代後期をテーマにしていて、最初に自由民権運動が描かれている。
自由民権運動は福沢諭吉を中心に立憲政体を要求したもので……
「好きです。付き合ってください。お返事くだサル?」
本を読んでも突然、付箋の内容がフラッシュバックする。
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