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中間試験では、俺のノートのおかげで平均点以上の点数を取ることができたらしい。
今回の期末試験でもノートを借りたいと言われたので、快く貸してあげた。
翌朝、石川は「ありがとう、すごく勉強になった」と言って、ノートを俺に返して来た。すぐに返してくれたということは、またコピーを取ったのだろう。
俺も自分の勉強がしたいからすぐに返してくれるのはありがたい。
たしかに俺のノートだ、と確認し受け取ると、ノートの途中に小さい紙のようなものがはみ出ていた。
なんだろうと思いパラパラとノートをめくり、そのページを開けると、付箋が一枚張り付いていた。
「好きです。付き合ってください 石川」
俺は慌ててノートを閉じた。
振り返って石川を見ると、前の席の安西と昨日のドラマの話をしている。
石川があまりに普段通りにしているので、俺の見間違いかと思いさっきと同じページを開く。
確かに、付箋は貼ってある。書いてある内容も同じだ。
俺の見間違いでも幻でもない。
好きですと書かれた丸っこい字は石川のそれとすぐにわかるし、俺の親友である碇のいたずらでもなさそうだ。
これを誰かに見られたらまずい。
慌ててノートを閉じ、机にしまった。
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