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もうこれ以上付箋を見ると、どこかから誰かから見られそうだし、うっかり付箋が剥がれ落ちてはいけない。
ノートを机にしまうと、ちょうど担任の椎名先生が教室に入ってきて、一日の終わりであるショートホームルームが始まった。その間、ずっと俺の頭の中はラブレターの事でいっぱいだった。
生まれて初めて女子から告白された。
告白される人というのは、一部のイケメンだったり、野球部のエースだったり、テストで一番を取るような人だけだと思っていた。
見た目は普通、部活は入っていない、テストもそこそこの俺のどこを好きになってくれたのだろう。
告白してくれたのはとてもありがたくて嬉しかった。けれど、心のどこかで少し不思議な感じもしていた。
でも、それとなく石川は俺の事を好きじゃないかと思っていたし、俺も石川の事を良いなと思っていた。
石川の見た目は小柄でショートカット、ちょっと童顔で可愛いくて、俺のタイプだったし、ケラケラとよく笑う性格が好きだ。
そんな石川から告白されたのは、夢のようだった。
石川の事をずっと考えていたら、ショートホームルームが終わっていた。
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