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俺たちは四人で班を組み、一緒にアトラクションを回った。ビックサンダーマウンテンや、スペースマウンテン、スプラッシュマウンテンと、三大マウンテンは早々に制覇し、少し落ち着いたのも乗ろうと、ホーンテッドマンションの列に並んだ。
「ホーンテッドマンションの中でキスすると、そのカップルは別れないらしいよ」
安西がディズニーの攻略本を片手に言った。
俺は「へぇー」と、適当に相槌を打つ。そんなジンクスがあるなんて知らなかった。
でも、俺にはキスなんてできる相手なんていないし、関係ないな。なんて思っていたが、碇が急にそわそわしていて、なんだか様子がおかしい。
「碇、おばけが怖いのか?」
「バカ、ちげぇよ」
「ほら、前進めよ」
列が進んでいるのに、その場で立ち止まっていた碇の背中を押す。
もしかして、碇は安西の言っていたジンクスを実行しようとしているのか?
直接確認したわけではないけれど、碇は安西の事を好きだとしても、不思議ではない。いつも一緒に過ごしているし、実は付き合っていたと言われても驚くことはないだろう。
俺はそわそわしている碇を心の奥でそっと応援しながら、二人を後ろから見守る。
その後も列はスイスイと進んでいき、あっという間に俺たちの番が来た。
このアトラクションは二人乗りのため、どの組み合わせで乗ろうか、なんて言う間も無く、「碇くん、一緒に乗ろう」と安西が言って、安西が碇の手を引き、二人は乗って行った。
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