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「褒めすぎだから。
普通に慎介の思ってるような人間じゃない」
「俺の思ってる通りの人間だけど?
その反応も全部」
慎介が私に顔を近づけてきた。
その距離の近さに、恥ずかしさが増すばかり。
思わず顔を背けた。
「顔、真っ赤。いい歳して不慣れとか最高すぎ」
最高って言葉が、まず変態っぽい。
次にその低い声が私を甘く誘う。
「俺と楽しいことしねぇ?」
楽しいこと、なんて嫌な予感しかしない。
当たり前だけど首を横に振る。
お酒で酔って、悪ノリで抱かれるなんてごめんだ。
正直酔いは十分覚めているのだけど、それには気づかないフリをする私。
「無理、同意の上じゃないと」
「じゃあお前から同意を得ればいい話だ?」
しまったと思った時には、もう遅かった。
私の頬に触れている慎介の手に力が入り、背けていた顔を元の位置へと追いやられる。
そしてまた、視線が絡まった。
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