お前がほしい

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「その顔、わざと?」 慎介が私の唇をなぞる。 初めての感覚で慣れず、とっさに息を止めた。 私、今どんな顔してる? 自分では見れないからわからない。 「そういう顔、逆効果なんだけど」 「し、慎介、これ以上はダメ」 「無理。俺をここまでさせたお前が悪い」 「そんなことした覚えない」 「口移しで水が飲みたかったんだろ?」 どうやらきっかけは、それだったらしい。 最悪だ。 少し前の自分をひどく恨む。 「もう酔ってないから」 「へぇ、酔ってない方が好都合だけどな」 「な、なんでよ!?」 「今日のこと、忘れないから」 ドキッとした。 慎介の目は本気だ。
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