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慎介の息がかかる。
気づけば私たちの間はほんの数センチになっていた。
反射的に目をぎゅっと閉じる。
それを合図とするかのように、慎介が唇を重ねてきた。
先程とは違って、今度は優しいキス。
思わず体に力を入れていた私は一瞬で力が抜けた。
慎介が唇を少しずらしてキスの角度を変える。
どうやら一回では終わらないようだ。
何度も角度を変えながらされるキスに、だんだんと息が苦しくなる。
酸素がうまく行き渡らなくなった脳が、考える力を徐々に失っていく。
そうなると、どうなるか。
それはどれが正常な判断がわからなくなるということ。
全身に熱がまわる。
体温が上昇した気すらした。
もっと、欲しい。
どうしてかわからないけど、さっきみたいに舌を絡ませる深いキスをして欲しかった。
なのに慎介は突然、キスをやめて唇を離してしまう。
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