13/37
前へ
/74ページ
次へ
「ひー、長かったぁ……!」 「お疲れ様です」  やっとインタビューが終わり、僕は背伸びをする。ずっと立ってるのも大変だけど座ってるのも辛いな。 「今日は他にもまだ仕事ありますか?」 「いえ、このインタビューで終わりです。送っていくので、車に乗ってください」 「はぁい」  小学生のような僕の返事に、加藤さんがふっと笑った。そういえば、加藤さんは意外と笑う人だった。  車に乗り込んで、シートベルトをつける。やっぱりシートベルトは少し苦しい。  加藤さんが運転席に座り、シートベルトをしめている。そのまま車が発進するかと思ったけど、加藤さんは僕の顔を見るために後ろに振り返った。 「今日は三上さんの家ですか? 東洞さんの家ですか?」 「煌河さんです!」 「わかりました。じゃあ、東洞さんの家に送ります」 「いいんですか?」 「疲れているのにあなたの足を酷使させるようなことはしませんよ。ああ、あと明日は写真を撮るので、キスマークはつけてこないように」 「えっ、あ……はいっ」  なんかバレてるっ。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加