88人が本棚に入れています
本棚に追加
「ひー、長かったぁ……!」
「お疲れ様です」
やっとインタビューが終わり、僕は背伸びをする。ずっと立ってるのも大変だけど座ってるのも辛いな。
「今日は他にもまだ仕事ありますか?」
「いえ、このインタビューで終わりです。送っていくので、車に乗ってください」
「はぁい」
小学生のような僕の返事に、加藤さんがふっと笑った。そういえば、加藤さんは意外と笑う人だった。
車に乗り込んで、シートベルトをつける。やっぱりシートベルトは少し苦しい。
加藤さんが運転席に座り、シートベルトをしめている。そのまま車が発進するかと思ったけど、加藤さんは僕の顔を見るために後ろに振り返った。
「今日は三上さんの家ですか? 東洞さんの家ですか?」
「煌河さんです!」
「わかりました。じゃあ、東洞さんの家に送ります」
「いいんですか?」
「疲れているのにあなたの足を酷使させるようなことはしませんよ。ああ、あと明日は写真を撮るので、キスマークはつけてこないように」
「えっ、あ……はいっ」
なんかバレてるっ。
最初のコメントを投稿しよう!