プロローグ

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「おはようございます」  今日も収録の為、スタジオにやってきました。  煌河さんと恋人という関係になってから数ヶ月。すっかり桜が綺麗な季節になりました。年が変わる瞬間も一緒にいて、そのときは繋がったままでした。  音楽番組に出たり、映画の吹き替えも煌河さんと僕のダブル主役で担当させて頂いたり、雑誌に二人で出たり。僕と煌河さんの容姿に注目されて、仕事が増えていきました。  あれから仕事がどんどん忙しくなり、二人で会える時間が減ってる中、今回はBLCDの収録でスタジオにいます。勿論相手役は煌河さんで、心が弾みまくりです。 「久しぶりー!」 「あっ、監督!」  監督が僕に向かって手を振ってくる。相変わらず元気なようでなによりです。  今回収録されるBLCDは短編で、様々なシチュエーションの話が幾つか収録されるらしくて、その中には翼さんと由真もいるのだとか。  テーマが「かわいい受け」で、僕と煌河さんは幼馴染ものを担当する。僕の役が小動物みたいな受けで、煌河さんの役が女の子から人気の王子様キャラの攻め。  映像を見せてもらうと、攻めの男の子がかなりかっこよくて、かっこいい人から迫られたら誰でも流されてしまうのかな、と思う。  台本を読み込んでいると、煌河さんがやって来た。 「おはようございまーす」 「煌河さんっ」
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