最弱の勇者

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やっぱり王女っぽい人は王女だったようだ。ていうか異常なほど名前が長いがそこは事情でもあるのだろう。 「ここは本当に僕たちが言うところの異世界なのでしょうか。証拠を見せてほ しいのですが。」 あ、それわかりみが深い 「そなたたちの世界では異世界?と呼んでいるのか、わかった、リヴァー持ってくるが良い。」 「ハッ、」 ヴェルがそう言うと騎士の一人が動いた。そしてほかの部屋から狼のようなものを持ってきた。それを見てクラスメイト達は騒ぎ出した。 その狼みたいなのはケルベロスっぽいから今後そうよぼう。まぁ俺がつけた名前から分かるよう、見た目は三つの首、漆黒の毛並み、それに加え鋭い牙と歯ってところだな。 クラスメイト達はその姿を見て恐怖におびえ騒いでいる。自分はなぜこんなに冷静なのだろう?あー怖い怖い自分が怖いわー まぁ戯言は置いておくとするが。正直ケルベロスぐらいじゃ驚かない程度にはグロいものを見たことがあるから。ってことで。 「これで信じたか?」 「ええ、もちろん」 「次の質問です。俺たちは元の世界に戻れるのですか?」 「それは、あーうんわからん、そなたたちの召喚も偶然に偶然が重なりできたものだからな。すまない。」 ヴェルがそう言った瞬間、再びクラスメイト達は騒ぎ出した。 当たり前だろう、勝手に呼び出されて家に帰れないなんて、ひどすぎるし、驚く。実際俺もこれ聞いた瞬間は目の前が真っ暗になったもんな。ただこういうのは小説によくあるから慣れている。 「おい勝手に、召喚だか何だか知らないが呼んだくせに返せないとかまじでふざけんなよ。おい?」 「でーすーが!魔王の持っている本のなかには魔法書がある。それは一冊ごとに一つ願いごとがなんでも叶えられると文献に載っているからな。」 「なんでそんなこと知ってるんだよ。つーかこの世界にも勇者とも言わねーが力があるやつぐらいいるじゃん、そいつに頼めよ。」 「私達だって我国のもの達だけでどうにかしたい。だが魔王は強大だ。国民には近付くことすらできまい。はるか昔に召喚された先代の勇者タクミ・オリハラ様はもういないのだ。」
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