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そんな一抹の不安はあったけれど、名前以外何も思い出せないあたしにとって、今はこの人達に従うしかない。仕方がない、こうなったら為せば成るだ。グァブとやらを一掃してやろうじゃないのと覚悟を決めたあたしに、ヤティルが半ば呆れたように口を開いた。
「記憶も大事だが」
……この人、喋れたのか。猫より無口ってどうなんだろう。いや、トフの場合おしゃべりすぎる気もするけど。
「その前に、何か着た方がいいんじゃないのか」
重く開かれたヤティルの言葉に、再びあたしの絶叫が建物中に響き渡った。
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