第1章

332/340
前へ
/340ページ
次へ
医学書を見て、これは最新の本ですな、翻訳すればそれがしも新しい医術が学べますと言い、もう一冊を見てこれは南蛮の農機具などの生活の様子を書きとめたものにござるか、これも、 最新に御座るな、 貴重な本ですぞ、診療は弟子に任せております、さつそく翻訳してみましょうと喜んだのです、居酒屋に行き小上がりに上がると、おみよが久しぶりですねと言って酒を持って来て酌を、 して、今日はアジのいいのが入っています、叩きに塩焼きを出しますと言うので、宜しく頼むと言うと、お蝶が入って来たので小上がりに上がらせて酌をすると飲み干し、やっと阿片を、 やっている場所が分かりました、 神田橋外の護持院の蔵の地下室に御座いますと言うので、生類哀れみの令を進めた隆光が住職の寺ではないか、それは誰も手はだせんなと言うと、大奥取締りの絵島の局が黒幕ではない、 かと源信が申しています、絵島は元加賀藩の藩士の娘に御座います、絵島が阿片をやっているのかと聞くと、部屋子に阿片を吸わせて役者と絡ませそれを見て楽しんでいるとの事です、 部屋子はいずれも町家の出で行儀見習いに大奥に上がっている女子との事です、それで中毒になって殺された者はいるのかと聞くと、それは分かりませぬ才蔵が忍び込んで見つけたそう、     
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加