第1章

335/364
前へ
/364ページ
次へ
源三郎江戸日記(弟二部)57 手の者が調べましたところ御寺院で阿片が吸われているとの事にございますと、全容を話すと、それはわしに頼んでも無理じあ、大奥は我々は手はだせぬのは知っておろうというので、 勿論で御座います、前田行部が銭屋とつるんでの所業に御座います、阿片の供給元を断ち切れば事は内々で納められますと言うと、証拠はあるのかと聞くので、書付を見せると何と、 加賀藩のご用達にて江戸に運んでいるのか、 しかしこれを上様に見せれば加賀藩はお取り潰しになるやも知れんぞ、稲葉が大喜びするであろうと言うので、そうなのでこれはお渡しできないのですと言うと、どうするつもりじあ、 と聞くので、前田公に見せてどうされるか、見極めたいと思いますと言うと、そなたが行部から狙われるぞと言うので、まさか数万の軍勢で押し寄せるわけには行かぬでしょうと言う、 と、 それはそうじあがと言って、隠密でも手にいれられなかった物をどうやって手にいれたのじあと聞くので、それは言う訳にはいきませぬというと、つわものの草の者を使っているので、     
/364ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加