file1Ψ運命の出"遭"いΨ

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客の男 「ウマイのは分かってる… 喰ったことあるから 骨もしなやかで噛み砕きやすいし… でも、俺が欲しいのは そのショーケースの肉だ! はやく、よこせよ…!」 怒鳴られた店主がシュンとする 店主 「ワ、ワカッタ…ダカラ、オコルナ…」 あ、店主が引っ込んで ショーケースの向こう側に戻った… 若い男性は腕を組んで袋に詰められる ホルモンと称した臓器と 紙に包まれていく腕を見つめてる… 客の男 「…」 後ろポケットから お財布を取り出す男性…今のうちに! わたしはお店から静かに出ていき 自転車のもとへ駆け寄る 店主 「アアッ!オンナ、ニゲル!」 客の男 「逃がすかよ…」 後ろを振り向くと あの若い男性が走ってきた! わたし 「こ、来ないでっ…!」 自転車まであと1歩のところで つまずいてしまって膝を擦りむく! すぐに立ち上がって 自転車に手を伸ばしたけど 後頭部に鈍い痛みを感じて ワタシは地面に倒れ込む… ぼんやりする意識の中 最後に見たのは、仰向けにされたときに ギラギラ輝く瞳と舌舐めずりする 若い男性の顔とその背後に いつの間にか追いついてきていた店主の姿だけ… わたしは…どう…なる…の……ガクッ
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