~紹介~

14/14
前へ
/53ページ
次へ
二人とわかれてからは淡々と、特にとりあげるようなこともなくあっという間に授業後になった。 「あ、そういえば」 ハクシキは、あれからどうなったのか。 「様子みてこようかな」 迷いなく図書室に向かう。彼は大体そこにいると、クラスで話題に上ることがあったのだ。 (ま、それで“ハクシキ”なんてあだ名がついたんだろうけど) 図書室は3階まであがり、つきあたりまでいくとむかって右にある。 だが、しかし。 閑散としたそこには、彼の姿はなく。 その代わりに、彼の友人と思われる人からメモ書きを渡された。 そこには、 『僕では手に負えないみたいだ。てわけで御免!』 と達筆な字で書いてあった。 「あいつでもだめだったなんて…」 つい独り言が口をついてでる。そこに、 「ふ、当然さ」 彼女の足下に、見なれた小人がいた。 「わっ、アリベル!…当然って、どういうことよ。」 「不可視にしてしまえば、どれだけ興味関心があろうと逃げられるからね…」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加