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二人とわかれてからは淡々と、特にとりあげるようなこともなくあっという間に授業後になった。
「あ、そういえば」
ハクシキは、あれからどうなったのか。
「様子みてこようかな」
迷いなく図書室に向かう。彼は大体そこにいると、クラスで話題に上ることがあったのだ。
(ま、それで“ハクシキ”なんてあだ名がついたんだろうけど)
図書室は3階まであがり、つきあたりまでいくとむかって右にある。
だが、しかし。
閑散としたそこには、彼の姿はなく。
その代わりに、彼の友人と思われる人からメモ書きを渡された。
そこには、
『僕では手に負えないみたいだ。てわけで御免!』
と達筆な字で書いてあった。
「あいつでもだめだったなんて…」
つい独り言が口をついてでる。そこに、
「ふ、当然さ」
彼女の足下に、見なれた小人がいた。
「わっ、アリベル!…当然って、どういうことよ。」
「不可視にしてしまえば、どれだけ興味関心があろうと逃げられるからね…」
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