~記憶の在処~

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そうして数十分ほど舌戦が繰り広げられた頃。 二人してゼェハァいいながらも、アリベルが口を開く。 「んー…じゃあさ。心を開けて、悩みをきき、これを解決する。…本来の目的とは違うけどしかたない。それは今後その気になってくれればいいんだからね!」 彼女はため息混じりに頷く。 「どっちみちめんどくさそうだけど、まあまだましか…。」 「うん。ああ、それと」 「まだあんの?」 半ばげんなりしつついうと、小人はまあまあ、となだめながら。 「あとね、基本は矢を放った相手に好意を持つことで心をひらくんだから、解除には気をつけてね~」 「はいはい」 返してから、でも、と思う。そうなると“彼”について疑問が残るのではないだろーか。 「え、でもハクシキは…」 途端、ばつが悪そうにするアリベル。 「あー彼はね、例外中の例外。きっと中々そういう人はいないだろうから安心、かな。」 「ふーん、効かない人もいるんだ」 ふと、アリベルについて思う。たぶん、一応注意してくれているのだろう。解除は怠るな、無闇には射たないで、と。 (…まあ、肝心の解除方法はわからないケド。) ついでにきいてみようか。 「ねえ、その解じょ…」 しかし、言葉はそこで途切れることになった。
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