6人が本棚に入れています
本棚に追加
そうして数十分ほど舌戦が繰り広げられた頃。
二人してゼェハァいいながらも、アリベルが口を開く。
「んー…じゃあさ。心を開けて、悩みをきき、これを解決する。…本来の目的とは違うけどしかたない。それは今後その気になってくれればいいんだからね!」
彼女はため息混じりに頷く。
「どっちみちめんどくさそうだけど、まあまだましか…。」
「うん。ああ、それと」
「まだあんの?」
半ばげんなりしつついうと、小人はまあまあ、となだめながら。
「あとね、基本は矢を放った相手に好意を持つことで心をひらくんだから、解除には気をつけてね~」
「はいはい」
返してから、でも、と思う。そうなると“彼”について疑問が残るのではないだろーか。
「え、でもハクシキは…」
途端、ばつが悪そうにするアリベル。
「あー彼はね、例外中の例外。きっと中々そういう人はいないだろうから安心、かな。」
「ふーん、効かない人もいるんだ」
ふと、アリベルについて思う。たぶん、一応注意してくれているのだろう。解除は怠るな、無闇には射たないで、と。
(…まあ、肝心の解除方法はわからないケド。)
ついでにきいてみようか。
「ねえ、その解じょ…」
しかし、言葉はそこで途切れることになった。
最初のコメントを投稿しよう!