105人が本棚に入れています
本棚に追加
「高雅、起きて。もうすぐ着くよ」
瑞は、膝の上に寝ている高雅を、優しく揺すった。
「ん。う……ん……」
寝ぼけ眼の高雅は、とろんとした眼差しのまま瑞を見上げた。
「ね、瑞。おはようのキス、してくれないか?」
「ええッ!?」
左右には、高雅のボディーガードが座っている。
(ひ、人目があるからダメだよ)
声を潜めていると、その黒服の男からまさかの催促があった。
「どうか、高雅様のお言いつけ通りに」
「そんな」
確かに高雅は好きだけど、好きになってすぐにキス!?
迷っていると、高雅がいきなり起き出した。
そして、ふいうちで瑞の唇に短いキスをしたのだ!
「こッ、高雅!」
「迷った時には行動せよ。鏡家の家訓だよ」
屈託なく笑う高雅に、瑞もつられて笑ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!