星の子たちの天使

27/30
前へ
/30ページ
次へ
 帰り道の車の中で、瑞と高雅はすっかり打ち解けていた。 「ね、瑞。またこうして、一緒に出掛けてくれるかな?」 「いいよ。僕でよければ」 「君でなきゃ、ダメなんだよ」  瑞はすっかり、高雅のお気に入りだ。 「少し疲れたね。学園に着くまで、眠ってもいい?」 「いいよ」  瑞の返事に、高雅は嬉しそうに笑った。そして、瑞の膝に手を伸ばしてきたのだ。 「手を、握っててもいいかい?」 「うん」  高雅は瑞の手を握ると、その膝枕に頭を乗せた。 「こ、高雅!?」 「あぁ、落ち着く。好きだよ、瑞……」  高雅は困惑する瑞を置いて、すやすや眠ってしまった。 「疲れてるんだろうな。毎日、分刻みのスケジュールで」  瑞は、高雅の柔らかな髪を撫でた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

105人が本棚に入れています
本棚に追加