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菅野 瑞(かんの みずき)に、両親はいない。
両親どころか、親戚もない。
生後間もない瑞は、この児童養護施設『星の子学園』の玄関先に置き去りにされていた。
捨てられた、と親を恨んだこともあった。
しかし生来の前向きな性格は、やがてそれを、預けられたのだ、と解釈するようになった。
いつかきっと、迎えに来てくれる。
そして、その迎えが来ないまま、瑞は中学2年生になっていた。
自分より年下の子どもたちの面倒を見る日々を、送っていた。
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